オレ達の日常=SIDE Y=
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「…ん…ふ…っは、ひ…あ…ああ、あ、ああ」
目の焦点がまったく合わず、体を痙攣させているトールを漸く離して、唇から少しはみ出た舌先をそっと舐める。
ひくひくと震えている筋肉もこの体ごとすべて手に入れたと思える。
「あ、、、あ…あ…く…っンン……」
ゆっくりとペニスを引き抜き、両脚をそっとおろして抱きしめ直す。
体を撫で、呼吸がゆっくりと落ち着くのを待ちながら背中を撫でる。
地域最強と恐れられている男が、俺にだけはすべてを許してくれるというのは、優越感だけではないものをくすぐる。
それと同時に不安にもなる。
トールの感情は気まぐれな獣と一緒だ。
「トール……俺もトールを可愛いと思ってるんだ」
こんな風に抱いても、変わらず強い腕や広い背中。
だからこそ、不安になるのかもしれない。彼はオンナじゃあない。
いつか、それに気づいて俺から離れてしまわないかどうか。
これが一時の気の迷いだと片付けられたらそれで終わりだ。
大きな体を抱きしめたまま、まるで犬のようにトールの口の周りを舐め続けていると、とろんとした表情でこちらを見つめているトールの視線に気がつく。
「……トール……?」
問いかけると、気だるい仕草で大きく息を吐き出し鼻を鳴らして俺の体をやんわり抱き返してくる。
「…………おまえの、もん…だ……おれ、は」
考えていたことを読み取ったように、掠れきったやや舌のまわりきらない声で告げられて思わずぎゅっと抱き返す。
「……や……べ……ぶ…っと、ん…でる」
とろけきった表情でぼんやりと呟くトールの様子に、思わず手を伸ばして堅く刺さりそうな銀色の髪を撫でる。
いくら体力のあるトールだとしても、10回は出しているとさすがにぐったりとした様子で俺の肩の上に頭をおいている。
しかも、昨日の夜もさんざんヤッた気もする。
「……はんぱで……けっこんしろとか……おれはいわねえ……からよ。ンなかお…してんじゃねえよ」
熱い吐息とともに吐き出される言葉に涙がでそうになる。
キモチを見抜いていっているのか、何か思っていっているのか、その場の感情なのかまったく読めないが、俺の不安を一瞬で拭いさる。
いつだって力強い。
いつだって、俺のこころをぐいっと掴み寄せる。
「うん…分かってる」
「……よけーなこた、かんがえるな……」
眠たそうに欠伸をかみ殺しながら心地よさそうな表情を浮かべて、身を寄せてくるトールを心底愛しいと思う。
「うん……」
胸元に顔を埋めると、毛布を乱暴に掴んで体ごと抱きこまれた。
眠たそうな目で覗き込み、トールは俺に笑みを向ける。
「やす……かーいいぜ……」
でれっとした普段はみせないような表情を浮かべて、トールは俺の額に唇を押し付け、そのまま固まったようにぐううっと寝入ってしまった。
「ソレ、反則……」
俺はため息をついて、男らしいその体を抱き返して目を閉じた。
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