ヤスをどんなに欲しがっているかなんて、俺の様子見てりゃ分かるだろうに、それをわざわざ見たいとか言い出す。本当にヤスの趣味は分からない。
体を少し離して、ベッドヘッドに寄りかかり脚を拡げる。
まだ、拓かれて少し緩んで体液で汚れた箇所に二本揃えた指先をあて、ぐっと押し込む。
食い入るように眺めるヤスの視線に、背中がカッと熱くなってくる。
今まで、別に自分から何かしたいとか思うような性欲はなかった、と思う。モヤモヤしたら喧嘩で吹っ飛ぶし、そんなにオンナというものにも興味がなかった。
欲しいとも思わなかった。
「……ッヤス……っう………ンく…」
くちゃくちゃっと音をたてて指で濡れた内部を掻きまわす。
けど、今は、目の前にいるヤスに突っ込まれたくて仕方がない。
腰を押し出すようにして、指を奥まで埋めて刺激が欲しいところに指をこすりつける。
「……ンンっハァ……ッう」
「エロイ顔。トール、俺のこと欲しい？」
聞くまでもないことを尋ねるヤスがまだるっこしくなって、俺は返事の変わりにもう片方の腕で、ヤスの頭を抱え込み唇を押し付ける。
舌先をくちゅくちゅと挿し込み、ヤスの唇の中を探る。
舌を吸い返され、歯を軽く立てられるとじくじくと腰から下が痺れてくる。
内股が震えて、突っ込んだ指を柔らかい俺のアナルの内部がきゅうきゅうと締め付けて奥まで欲しいと訴える。
舌の裏まで舐めあげられた瞬間、俺は堪えることも出来ずに水っぽくなった精液を吹き上げる。
「……ン…っうう…ッ、や、、す…もう…くれよ……」
唇を外されて涎が垂れるのも構わず、もう欲しくてたまらないと目で訴えながら指で中を拡げてねだる。
「ちゃんと、はっきりなにが欲しいか言って」
焦れてしょうがないのに、いつも言葉でねだらせる。
俺に、何を求めているのかはっきりさせたいのだろうか。
そんなこた、どうでもいい。
「…ンン…ううう…はやく…っしろ…ッ」
指で拡げたアナルからは、先に注がれていた精液が泡だってどろどろと溢れてシーツを汚している。
ヤスはちゃんと言葉を言うまで入れる気はないらしい。
「……っうう…く…ヤスの……おちんこ……ほしくて…たまんねえ」
「トール。やらしい顔……いっぱいあげるよ…」
俺の腕を掴んで指をぐぷうっと引き抜くと、ずぷぷっと音をたててヤスはペニスを俺の内部へとねじ込んだ。
それだけで、もうギリギリだった俺はネジがとんだのか、ビシャッビシャッと顔にかかるくらい精液を放つ。
「あっ…ひッ…ァアッひ…ぁあああああああ」
ぐぽぐぽっと腰が尻に叩きつけられる度に声をあげて、透明な液体が弾ける。
俺の体はどうにかなっちまったかのように、うねってヤスの動きにあわせるように脈動する。
自分の体ではないように熱にとろけて、ヤスの肉に縋りつく。
イキすぎて呼吸もできない。
「ひッああ…ああああああッあ、あひッあああああ」
どくどくと胎内深くそそがれる熱と、自分の熱にどうにかなってしまったように俺は腰をくねらせ続けた。