オレ達の日常
50
確かに、昨日の夜は俺が求めたのは覚えているが、景色が真っ黄色になっていて体もぐったりとしている。
HPは1に限りなく近い。
アイツも似たようなものだと思うのだが、朝から予備校に行ってしまった。
体力は俺のがあるって思ってたんだが…ヤるのとヤられるのは負担の割合がそんなに違うものなんかなァ。
半年で完全に体、作り変えられた気がする。
のそっと立ち上がり、体は拭いてくれたのか別にキモチ悪くないが、シャワーを浴びようと浴室に向かう。
「おー、トール、起きた?」
寝室を出ると、セージがソファーでWiiのマリ○カートをやっていた。
「ハヨ。……オマエ、デートじゃねえの?」
クリスマスイブなのに、なんでこんなとこにいるんだとクビを捻ると、セージが肩を落として俺を見上げる。
「ミカちゃんには振られマシタが、何か?」
地雷だったようだ。
「あ、悪ィ。……シャワー浴びてくる」
多分グチでもいいにきたのだろう。また、ヤスにオンナ紹介させとけばいいか。
浴室に入りシャワーを浴びて出てくると、セージはまだコントローラーを握ってゲームに夢中になっている。
「恋愛って難しいなぁ」
「ゲームみてえにはいかねえよ」
どさっとセージの横に座ると、セージは横目で俺を見やって肩を落とす。
「このくそさみいいのに何で全裸なんだよ。服着ろ、服。体中キスマークだらけでうぜえ」
幸せじゃないと、そういうのは許容できないようだ。
もう一度腰をあげて、下着をつけて長袖のTシャツとスエットの下を履いて、テーブルの上においてあるおにぎりに手を伸ばした。
「オマエらはさ、別れたらダチに戻れるの?」
「……もう、ムリかもな……」
セージの言葉に、俺はおにぎりを剥く手を止めた。
多分、ダチにも戻れない。
体が反応しちまう。
「怖くねえの?」
「ンなもん。別れねえから怖くねえよ」
おにぎりにかぶりついて、俺は笑った。
「だけどよ、人の気持ちだけじゃどうにもならねえ時も、いずれはくるかもしれねえ。俺、そんとき、どうなっちまうかなァ。」
「……そんなことまで考えてンのか」
「願わくば、その日がじいさんになってて、性欲が失われた頃であることを祈るばかりだけどな」
俺は笑いながら、セージの肩をぽんっと叩いた。
「これから、クリスマスプレゼントを買いに駅前いきたいんだけど、つきあえ」
「ハイハイ。リア充爆発しろって言いたいけどね。トールのセンスひでえからな、どこなりと付き合うぜ」
コントローラーを置いて、何度もため息を繰り返すセージをともなって、俺は買い物へとでかけた。
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