オレ達の日常
48
床の上で突っ込まれて、体がミシミシと痛む。
そんなに軟にはできてねえけども、手を伸ばして脱がされたズボンからタバコの箱を取り出そうとすると、ぐっとその腕をヤスに掴まれた。
「ちょ……タバコ……吸わせろ」
「まだ……終わってない」
掠れた声で囁かれ、絶倫だなあと思わず呆れて吐息を見返すと、ずるっと胎内からヤスの萎えたちんこが引き抜かれる。
思わず眉を寄せて低く呻き、内股がぽっかり寂しくなるのに身を震わせる。
ヤスの体がまだ欲しいと、俺の強欲な体は震えている。
終わってないっていうのは、多分そういうことだ。
俺がどろどろに溶け切るまで、ヤスは終わらせないつもりらしい。
「……ここじゃ…体いてえよ……ベッドいくぞ」
痛む腰をあげて、掴まれていた腕を握り返しヤスの腕を引いて大股で寝室へと向かう。
いつも脳みそ蕩けるくらいにメロメロになってから、やっと開放される。
そうでないと、俺の体も満足しなくなっている。
ヤスに言われなくても、多分、俺は思った以上にヤスに依存している。
「トール、欲しいとか思ってる?」
寝室に入ると、背後からぐっと抱き寄せられ、ペニスのさきっぽのピアスをくりくりと撫でられながら耳元で囁いてくる。
首筋からずくんと腰まで甘く砕けるように痺れが走る。
「………欲しくねえなら…しねえよ」
くちくちと音をたてて、それだけの刺激に俺は先っぽからカウパーを滴らせる。
抑えなんか既に利くはずもない。
欲望はすべてヤスに支配されている。
ぬちっと舌先を耳元に押し込まれると、膝がガクガクと震えて堪らなく体が熱くなってくる。
視界がぼやけ唇が自然に開き、熱を冷ます空気を欲しがるように息を吐く。
「ん。凄いほしいって顔になった……エロイ顔」
もう片方の掌で俺の尻を揉みながら、ひとさし指をぬくっと差し込んでくる。
ぐいっと横に開かれ、とろとろと先ほど注がれたヤスのザーメンが漏れて、内股を伝って降りていく。
排泄をしているような感覚に、かあっと身を熱くして、浅いところしか弄らないヤスの指に焦れて腰を揺らす。
ひらきっぱの唇から、だらだらと唾液が顎を伝っていく。
浅ましいくらいに欲情に支配される。
「……ヤス……ヤス…っ、なあ……もっと……」
「だあめ……狂うくらい欲しがってくれなきゃ」
指ではくはくと震える括約筋を撫でるだけでそれ以上入れようとせず、俺はたまらず指を欲しがって腰を押し付ける。
それを避けるように腕を引いて、焦らすように括約筋のみをもみこむ。
押し出すように、こぷこぷっとアナルから精液が漏れて溢れる。
おかしくなりそうな羞恥に体が熱くなってくる。
「そんなに欲しいなら…自分で入れてみて」
俺の腕をとって後ろへと回され、指を二本銜え込まされる。
オナニーをしているような格好だが、深くはささらず腰を反らす。
「……あっ…うう…ッいじ…わりい……ッ」
欲望には逆らえずに、指で届く限りぐぷぐぷと擦る。
ぜんぜん欲しいところには届かない。
立ったままじゃ、指は入ってこない。
「トール、何がほしい……?」
くちゃっと耳を舐めとかされながら、囁かれる。
頭がぼおっとして、指の動きも緩慢になってくる。
「……ヤスの……ちんこ……くれよ……」
膝が笑うのに耐えかねて俺ががくっと膝をつくと、目の前に回ったヤスが俺の顎を掴んであげさせ、少し乾いた精液がついたペニスを俺の唇に押し当てる。
「もっと、四六時中欲しがって……俺で頭の中いっぱいにしろよ」
濡れた唇を開いて、ヤスのペニスを口に含む。
どんだけヤリたがりにしてえわけだ?
アナルに指を突っ込んだまま、もう片方の腕でヤスの腰に腕を回して引き寄せ、喉の奥までペニスを吸い込んだ。
頭をぐっと押さえ込まれ、餌付くほどぐぶぐぶと咥内を貫かれる。
もう、頭の中もどこもかしこも、ヤスに犯されたくて仕方がない。
息苦しさも脳みそが蕩けてしまえば快感に変わる。
呼吸を止めるようにこぷっと喉の奥に粘ついた体液がひっかけられると同時、俺は床の上で腰を押し出すように精液を噴き上げていた。
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