オレ達の日常=SIDE Y=

34

熱から醒めて、抱いているトールを見下ろすと全身を体液に濡らして喉仏を動かし見開いたままの目は焦点を失い正気を失っており、おこりのようにガクガクと身震いを繰り返している。
やべえ……壊しちまったか。
慌てて俺はトールの体を抱き寄せて、背中をさする。
昨日あんなに誓ったのに、この体を前にすると欲望をとめられない。
「トール、トール……大丈夫か」
耳元で囁くも、トールの痙攣はとまらず快感にとらわれきった表情で虚空を眺めている。
すっかりぶっ壊れたような表情も、俺にすがり付いてくる腕も、何もかもがすべて愛しくてたまらない。
「トール、好きだよ。大好きだからな」
あやすように告げるとひくっとまぶたが動き、緩慢な様子で俺に視点をあわせようとし、焦点を結んだ視界で俺を食い入るように見つめ返してくる。
涎を飲み込めずに開いたままの唇が可愛らしい。
汚れてだらしのない顔がたまらない。
ぐっと甘えるように凭れかかる体が、まだ痙攣を繰り返しているのがわかる。
「……ああ…あふ…っん…やす……からだ……どろどろ…とけひゃって……」
どこに触れても感じてしまうのか、濡れた甘い声はどこか呂律がまわっていない。
「ああ…どっろどろだな。トールはぐちゃぐちゃでどろどろでやらしくてたまんねえよ」
ずるっとペニスを引っこ抜くと、どろっと俺の子種があふれ出して、ものほしそうにくぱくぱっとトールの体は求めている。
すべての様子が俺の求めるものそのものでたまらなくなる。
「トール、すごく可愛いすぎてとめられなくてごめんな。」
「……とめないで…いい……とめん…な」
俺にすべてを任せて、体を預けてくるトールが心底たまらないくらい好きだと感じた。
「ああ……トールは俺のものだよ。」
俺に犯されてぐちゃぐちゃになった体を預けるトールを抱きかかえ、俺はトールが意識を飛ばすまでその体に唇をおしあてて所有の証を残しつづけた。
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