抱きしめてくる腕はいつものように逞しくて力強いのに、どこか頼りなく縋りついて来る様な表情のギャップに俺は見惚れた。
僅かに熱っぽい息を吐きだす唇を吸い上げて、舌先で咥内をなぶるように舐めあげる。
それだけで堪らないように太腿へと体を押し付けてくる様がいじらしい。
「トール……トール。好きだよ、すげえ好き」
呼吸の合間にささやき掛けると、濡れた瞳を向けてくる。
「……俺も好き……だ」
誠士の言っていた甘い抱き方とかわからねえけど、安心させてやりたい。
指先で乳首とピアスを擦り合わせるように捏ね、舌を喉まで挿し込みくちくちと音をたてて唾液を吸い上げる。
体の力はすっかり抜けて、俺の腰に回された腕の力も解けて指先のみで縋りついている。
俺の太腿にあたるペニスは濡れて、腰を少し動かして快感をねだっている。
たったこれだけで、トールはすっかり蕩けきった表情を浮かべて俺を見つめてくる。
「トール、脚開いて…」
唇を開放して耳元で囁き、くちゃっと音をたてて刺さったピアスごと耳を銜えて、舌先をゆっくりと耳の穴へと押込む。
トールのすべての穴から俺を侵食させたい。
「……く…ふ……っ…やす…っん、ん、っ」
膝をたてて素直に長い脚を拡げるトールの濡れた股間に指を這わせ、裏筋から会稽を刺激していく。
「ッ…う…ああ…あああ…っン…ああっ」
キモチよさそうに喘ぐ姿がとても可愛らしい。
こんな風にゆっくりと攻めたことはなかったなと思う。
乳首を捏ねまわし、会稽あたりを少し強めに押すとビクビクと震える。
「愛してるよ。トール、凄く…えろくて…たまんねえよ」
全身を熱くして筋肉質な肌を濡らして俺にすべてを預けるトールが心底愛しい。
「っああ…あああっ…っ、イク…っっつ」
ペニスにもアナルにも触れないうちに、トールは腹部に精液を撒き散らす。
腹筋を上下させて震えるペニスから欲を吐き出す様は扇情的で、快感で緩んだ表情もなにもかもが俺の劣情を煽る。
「たくさん満足させてあげる、いっぱい気持ちよくなって」
トールの精液を指に絡めて、開いた内股に添わせてゆっくりアナルに二本の指を挿し込む。
「…っうう…ああ…やすっああ…やす…っ…ううう」
指を呑み込みながら、俺の名前を呼ぶ姿に一瞬見蕩れる。
すっかり快感に囚われた表情に、俺を見つめる目がとても熱い。
「トール、キモチいい？」
耳を舐めながら聞くと、頭をこくこくと頷かせる。
「あ、っつああ…ああ…、きもち…くて…あああとけち……まう」
きゅうっきゅうっと指を締め付けてくる内部に、二本の指を回転させながらぐちゅぐちゅっと音をたてて奥へと突き上げる。
「どろどろに溶けちゃえよ」
「やす…や…ああああ、やすう……んんっうう…へん…なる…」
背中を縋ってくる指先の動きに力が篭る。
カウパーと精液に濡れた下半身を俺の腕に押し付けるように揺らして乱れる。
半開きの下唇に吸い付き、零れ出る涎をちゅっちゅっと吸い上げると恥ずかしがるように顔を真っ赤に染める。
どんなエロイことをしても、大抵平然としているトールはどうやらこういう甘いことをするほうが照れたりするらしい。
指を曲げて前立腺を押さえ込むと、ぶるぶるっと下肢を震わせて射精して果てる。
「ひっああ…あっあふ……ううう、やす…あああ…」
目を見開き、元々白目がちな焦点の合わない目で天井を見上げているイキ顔に、たまらなくなり俺は指を引き抜いて、破裂しそうな自分のペニスを押し当て一気に突き刺す。
「――ッアアアア…あああ…あああっいい――」
「すげえ可愛いよ…トール、ずっと離さないからな」
両脚を肩に担いでぐぶぐぶっと音を立てて、更に深く突き刺し腰を抱き寄せる。
熱くうねるような柔らかい肉が包み込みぐっと圧迫してくる。
「ひっうう…あああ…ああ…っあああああ」
トールは目を見開き喘ぎながら強すぎる快感に体を痙攣させている。
完全に蕩けきった表情で、腰を自らくねらせ始めて内部まで甘い振動を繰り返し始める。
「トール、トール…出すよ」
耐え切れず、トールの中へと劣情を吐き出して、腰をぐっと抱き寄せる。
一緒に達したのか水っぽい液体が腹の間を濡らして、トールは背中をたわめてイキ続けた。