オレ達の日常

168

マンションに着いて、制服のブレザーを脱ごうとすると止められる。
「ね、制服着てしよ。もう、卒業式にしか着れないし。着衣緊縛とかしてみたかったんだ」
康史は、靴を脱ぐとすぐに俺を寝室へと連れ込む。
まあ、汚れたとしても明日クリーニングに出せば卒業式には間に合うかな。

それにしても、朝から晩まで盛ってるとか救いがねえな俺達も。

「ヤス、フェチ多すぎ」
制服フェチなのか、着衣フェチなのかわかんねえけど、寝室に入ると立ってたほうがいいのか、座った方がいいのかわからずに迷う。
ホントなら早く突っ込めって言いたいが、しちめんどくせえけど、康史のやりてえことは全部叶えてやりてえからな。

「フェチ……ってより、トールの色んな姿みたいから、あえて言うならトールフェチかな」
ちょっとだけドヤ顔決めて言うので、しょうがねえなと呟いて振り返ると、康史の身体を抱き寄せる。
「俺だけになら、何でも許すぜ。俺ァどうすりゃいいんだ?」
問いかけると身体を離されて、腕を引かれてベッドサイドに座らせられる。
最初にした時も裸で縛られてはいたけど、両手両足だったかな。

康史は、タンスから赤い縄を出してくると、キュッキュッと結び玉を作り始める。
「なんか、本格的だったりする?」
「習ってはいるけど、実践での緊縛はしたことないから、キツすぎたり気持ち悪くなったら言って」
優しい口調で俺の頭を撫でて、首に縄がかけられる。
「俺によっかかってていいから、身体を全部任せてくれるか?」
「ああ、分かった」
首の縄は余裕を持って一巻させると、腕を背中に回されて両手を背中で組まされ、縄がかけられていく。
全然締め付けられていないのに、きっちりと固定され、縄は胸元に回ってくる。

「きつくない?大丈夫?」

心配そうに聞かれて、即座に頷く。康史の表情が、興奮に呼吸をはやめているのが分かる。

乳首に作っていた結び玉が当たるように回され、背筋がゾクゾクしてくる。
胸元に2回縄が回され真ん中を通されて、ずるっと股間へと降りていく。
「トール、脚をあげて。縄を通すからね」
囁かれて、心臓がバクバクと音をたてていく。
ゆっくりともたつきながら脚をあげて掴まれると、俺の方もなんだか、呼吸がおかしくなっていく。
頭がふわふわして、眠たくなるような変な感覚。なんだか、ぐるぐるしてくる。

「もしかして、酔ってきた?こうやって、縄をかけてくと、Mの素質がある人は縄酔いするらしいよ?」
囁かれる言葉も、どこか遠くに聞こえて意識が浮遊しはじめて、ただ頷くしかなかった。
緩く食いこむだけなのに、呼吸も荒くなってしまい身体が熱くて仕方なくなる。

「やっぱり、トールは素質あるよ。唇あいちゃって、涎垂らしてるの分かってる?」

両脚とも固定されると、康史は俺の顎を掴んで零していた涎を舌先でぺろぺろと舐めて、俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。
縄をかけられたとこからじんじん熱くてぼーっとしてしまい、まぶたが重くて目を開いているのがやっとで仕方ない。
感じてる?とかそういうのとはまた違い、縄から侵食されていくような感覚。
怖いくらいに鼓動が収まらず、呼気が熱い。
芯から燃えちまうくらいだ。

すっかり脱力しちまって、鼻を鳴らして頭を康史の掌に押し付ける。

「ねえ、どんな気分?」

「あ、あつ、あつい……く、ッ………あつい……いきそ……な、ぬがして…」

瘤にした部分が服の上でも敏感なところを圧迫しているのか刺激され続けて、まるで全身を愛撫されているような錯覚に陥り、唇からたらたらと涎が零れてしまう。

「まだ、だめだよ。ワザワザ着て縛ったんだから」

汗が吹き出してシャツが重くなる。

脳みそもじんじんしていて、さっき刺激されて馬鹿になっているアナルがひくんひくんと疼き出す。
縛られただけなのに、縄は意思をもっているように、身じろぐ身体を追い詰めていく。

「縛られただけで、こんなに感じてるなんてやっぱり、トールはもう完全にマゾなんだね。俺がそうしちゃったのかもしれないけどね」

唾液まみれの唇に、康史は指を挿し込んで舌を摘んで引っ張ると、舌の先にシリコン製のクリップを挟む。

「あ、……ふ……く、ッ…………ンン」

追い詰められて、俺は服の中にビシャビシャと精液を放ち全身を震わせる。

康史は、股間から漏れ出す体液とズボンの染みを眺めて興奮したように余裕がない表情を浮かべた。

「着たままでイクの見てるの興奮するよ」


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