オレ達の日常

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「トールにはかなわないな。ホント、煽るのうますぎるよ。つっても、そういう打算もなんもできねーの、分かってっから余計にヤられる」
康史は俺の背中に頭をくっつけてくすくす笑い、俺の制服の上着をゆっくりと脱がす。
まだ、3月に入ったばかりで、地下室なのもあり空気が少し冷たい。

学校で、か。

屋上でヤッて以来だから、半年ぶりの2度目ってやつだな。
そう考えると、意外に学校ってのはないんだなぁ。
まあ、康史が一人暮らししてるってのもあったし、冬からは一緒に住んじまったし、わざわざ学校でわざわざする必要性もねえしな。

シャツのボタンを器用に後ろから外していく指を眺めて、俺はまだるっこしくなって、その指を掴んで握る。

顔が見えねえのは、なんか寂しいもんだ。

俺はその綺麗な顔をいつでもずっと見てたい気持ちでいっぱいだ。
俺はそのまま振り返って、康史の腰に腕を回して自分でシャツのボタンを外しながら、顎を掴んで康史の唇を吸う。
柔らかい唇は、俺のと本当に同じもんかなって思う。吸い上げては舐めてを繰り返してると、腕を伸ばされて頭の裏に掌を回されて引き寄せられ、舌先がぬっと中に入ってくる。
カチカチと空いた手で、俺の下着とズボンを手馴れた手で脱がされて、気がついたら全裸にされている。
皮膚は寒いけど、それどころじゃない感じで全身が熱をもってくる。

「ン…………ッ、ふ…………ンンッ」

口の中に入ってきている舌を唇を窄めて、チュッチュと吸い上げて康史の唾液を飲み込む。
腰に回した腕も、段々力が抜けていってしまい、どうにも立っているのも辛くなってくる。
キスに弱いとは良く言われるが、それは本当かもしれない。
自分から仕掛けた手前、メロメロにされるだけというのも、悔しいので、自分の舌先で撫でるように舐めあげる。

思い出なんかより、俺は、コイツが欲しいだけだ。
ロマンとかそんなのは、関係ない。

欲しい気持ちだけで、いいだろ?

目で問いかけながら、俺は康史の唇を何度も貪り続けた。
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