オレ達の日常=SIDE Y=

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ハァハァと荒く息を吐きながら、汗ばんだ体を揺らしてねだるトールの姿は、普段の姿とのギャップで胸がつかまれる。
筋肉の隙間に流れる汗からも、甘い匂いがしそうで俺は鼻をくっつけて舌先で舐め取る。
挿し込んだ指をきゅうきゅうと柔らかい肉が締め付ける間隔が心地いい。
すぐにでもいれたいキモチを抑えて意地悪ばかり言ってしまうのは、切なくて苦しそうな顔がみたいという欲望だけだ。
普段は、絶対しないような顔だから余計に見たい。

男らしくきゅっと上がった眉根も下がって、指を震わせるたびに股が引きつれて腰が揺れる。
くちゅくちゅっと漏れるいやらしい音も手伝って腰をくねらせて乱れる姿がセクシーに映る。
もっと乱してやろうと指を増やしかけたとき、

ズンチャカズンチャカ・・・・・・ピラリラリー

トールの携帯が、こんな早朝からゴッドファーザーの着信音で鳴り響く。
まだ、朝の7時である。

ずるっと指を抜いて、トールの携帯を手にとると、画面にはセージと名前が表示されている。
無視しよう。
こころに決めてトールに向き直ると、我慢できないような表情で、自分の指をアナルへ挿し込んで、濡れた目を俺に向けて腰を揺らしている。
トールなりに俺をいやらしく誘っているつもりなのか、俺の股間に顔をよせてズボンに片手をかけて引き降ろしてくる。
肉食獣が捕食するような雄雄しい目をしているのに、メスのように俺のペニスをくわえて求める姿のギャップに心臓が高鳴る。
突っ込もうと想っているのは俺のほうなのに、このまま食い殺されてしまいそうな、危うい感覚が襲ってくる。
指先で開いたアナルは、充血しきって熟れて中に欲しいとひくついている。

着信音はなり続けている。
いい加減諦めろと思いながら、トールの白いぱっさぱさの髪をなで、喉の奥まで突きあげると苦しそうな呻きが聞こえる。
眉を寄せて開いた目の端から滲む涙が愛しい。
トールの手を掴んで、ぐぷぐぷっと音をたてて奥をかきまわすと、我慢できないように身を揺らして胎内にほしいとばかりに脚を開いて指を出しいれしてせがむ。
欲求には素直で、正直で、まっすぐだ。
それにしても、ゴッドファーザーは鳴り止まない。

あまりのしつこさにトールの携帯を引っつかんで、思わず電話に出てしまう。
「……あさっぱらから……しつけえよ、誠士」
『あ……、康史?やっぱり、セックス中かよ』
予想通りといわんばかりに、正月早々能天気な声にいらつくが、まあ、利用してやるか。
トールは、俺のペニスをしゃぶりながら、目線で携帯を追っているが、それよりも快感を追うほうがおいつかないらしくて、腰を揺らすのを止めない。
「馬にけられて・・・死ぬぞ」
俺もトールに煽られていて、切羽詰っている。
『今年も初詣いくかと思ってさ』
暢気な言葉が返ってきて、状況を把握してはくれないようだ。
「トール、誠士が初詣いくかって?」
ずるっとトールの唇から、ペニスを引き抜いて指の動きを止めてたずねると、堪らなそうな表情で、
「……あ…ッはぁ…ああ、ヤス、うううう…も、っもう……つっこめ…っ……うう」
まったく問いかけを聞いている様子もなく、焦れた様子で俺のペニスを握ってくる。
『……あ。ハハハ、そゆことね。あんま、トールをいじめんなよ。じゃあ、昼にいつもの神社で待ってるから』
乾いた笑いを響かせながら、誠士は電話を切った。

いじめているわけではないんだけどな。
蕩けた表情でよだれを垂らしながら俺に跨ってくるトールのがっしりとした腰を抱き寄せて、ゆっくりとペニスで奥まで貫いた。



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