オレ達の日常

4

お仕置きっていわれるようなこと、されるようなことをしたつもりは断じてしていない。
ただオンナと話をするだけで、一々お仕置きとかなにやらされてたらたまらない。大体、自分は俺の百倍はオンナと話をしている癖に、なにをいいだすんだ。
まったく何を考えてるんだ。
頭の中は非難轟々なのに、体は与えられる刺激を素直に受け入れてしまっていて、まったくぴくりとも動けない。
「……こんなトコで……ヤったら、マジ怒ンぞ」
せめてもの抵抗とばかりにヤスの顔を睨みおろすが、微笑むヤスに抵抗が功をなしていないのがわかり悔しさに腕を握る握力になんとか力を篭めるが、いつものようには力が入らない。
体がヤスの手の動きに慣れ切ってしまっているようで、下半身が反応を返してしまう気恥ずかしさに、俺は俯いて声を漏らさないように奥歯をギリギリと噛み締める。
「トール、恥ずかしがってるの、すげえそそる」
膚まで赤くなる俺の体を検分するように眺めて、ベルトを片手で外す。
「マジで………怒……ンぞ」
「ははっ、げきおこぷんぷんまるぅーとか、言っちゃう?」
からかうようなふざけた言葉に、更に俺の怒りは煽られるが、ジッパーを下ろされはだけたパンツの隙間から、ゆっくりと指先で既に膨らみ始めた分身を嬲られると、それだけでたまらず俺はフェンスを握り締める。
ゆっくりとした指の刺激に息があがる。
ぼっーっとして何も考えられなくなってしまう。
「なあ、好きな人のことを好きだということって、悪いことなのかな。俺は世界中の人に俺の好きな人は、トールだって胸張って言えるよ」
反吐が出るくらい甘い言葉を耳元でささやかれ、霞む視界の中で見るヤスの表情は、幾分寂しそうに見える。
隠すってことは、ヤスの中では本当に嫌なことだったのだろう。俺にとっても隠したり嘘をつくようなことは、断じてしたくはない。
だから、告白してきた女に告げたのか。
合点がいくと同時に、脚の隙間からずるっとヤスの指が胎内へと挿し込まれるのを感じる。
熱がぐずぐずと溜まっていき、腰から上に甘い疼きが這い上がってくる息苦しさに俺はフェンスに頭を押し付けて息を深く吸い込む。
「……ァハァ…うう……っ、ごめ……っん……」
「謝っても許してあげない」
ずるっと制服のズボンと下着を引き下ろして、俺の片脚を抱えると指の数を増やしてぐちゅぐちゅっ音をたててかき回し始める。
指の動きに合わせて、俺の腰はたまらないとばかりに揺れ始める。
「……く……うう……ンンンっ……うう」
見上げる曇り空がほどけはじめ、だんだんと日の光が差し込んでくる明るさに、外で行為をおこなっている事実をまざまざと思い知らされる。
追い詰めるように奥を擦っていた指が、俺がギリギリまで昂ぶったのを確信してずるっと浅いところまで戻され、括約筋をゆるゆると撫で始める動きに焦れて俺は腰を押し付ける。
それじゃ、たんない。
「あっ、ああ……ヤス…ッ……っつうう」
「どうしたの?トール、こんなとこでヤんの嫌なんだよね」
耳たぶをちゅっぱちゅぱと煽るように舐めて、意地悪く耳元でささやく。
本当に、ドエスで最悪なヤツだけど、そんなヤツが好きなのは仕方がない。
こうやって、意地悪に嬲られても感じてしまうのはヤスだけだから。
「……ヤスのが……ほしい」
誰がくるかも分からない屋上で、それでも俺は情欲に負けてねだった。
「可愛いぜ、トール。トール、もっと刺激的に言ってよ。トールのけつまんこにヤスのおちんこほしいよって言える?」
焦らすような緩慢な指の動きはとめないままで、どこかのAVの真似をさせようとするヤスに、俺は恥も忘れて腰をうねらせて求めを口にした。
「ンン―――っうう、ほしい……けつまんこに……ヤスの…っんあっふ…う…おちんちん…っいれて……っ」
言葉が終わる前に片足を抱えあげられて、ずぶずぶっと押し入る肉塊が、俺の脳髄まで痺れさせる。
たまらない刺激に腰を押し付け全身を揺さぶられ、理性が全部ぱあっと弾け飛んで快楽に呑み込まれていった。
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