オレ達の日常

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観覧車って言ったのは、やっぱり定番だったからかもしれねぇな。なんとなく、ロマンティックってヤツがそんなかにはあるかもしれない。
まあ、康史は直ぐにイタズラを思いついたようだが、今日くらいは普通にデートしようぜ。と、思う。
流石に観覧車はオーソドックスなのか、あまり人は並んでねえので、待ち時間は少なそうだ。
男2人で乗るってのも、いない。
ちと、恥ずかしくなってきた、気がする。

順番が来て、ゴンドラに乗ると、やはり男2人だとやけに狭く感じる。俺も康史もそこそこデケエからかもしれない。

「せまいね」

やっぱりそれが最初の感想なのか康史は苦笑いしながら、ゆっくり上昇していくゴンドラから地上を眺める。
すぐ下に後ろのカップルの頭が見える。
丸見えかもしれない。
テッペンでキスとか言っちまったから、ちとハードルが高かったか。
康史はそんな俺の心を読んだかのように視線を合わせて、
「他のとこも、自分たちしか見てねーよ」
安心させるように告げる。
ゆるゆると上昇していくゴンドラに、俺は何故か心臓がバクバク始める。
なんてことない、こと、なのにだ。
狭い空間だからか。

「初めてだもんな。2人で遊園地とか。ゲーセンとかばっかだったし、俺はトールと一緒ならどこでも楽しいけど 」
「ああ。アミューズメントとかいうのは、いったことねーしな。中学や高校の修学旅行も、いけなかったし」
「他校と乱闘になる可能性ありって、トールだけいつも置いていかれるしな」
好きで喧嘩するわけじゃないのに、みんなそうは思ってくれない。
「でも、ヤスも行かなかっただろ?」
「1人で行って絡まれたくない。俺には専用のボディガードが必要なんだ」
笑いながら人をボディガード扱いするが、康史が一緒にいてくれたから、俺はひねくれずにすんだと思う。
ようやく、テッペンの棒のあたりにさしかかり、俺は康史に手を伸ばすと、康史は腰をあげて慣れた手つきで俺の顎先を捉えて唇をゆっくりと重ねる。

唇だけ熱くなる感覚。

指先で顔をくいと上げさせられると、自然に唇が開く。
くちゃっと音がして、滑り込む舌先が歯茎をざらざらと舐めて刺激するように、口腔を舐め始める。
力が抜けてしまい、俺は縋るように康史の背中にしがみつく。
舌を追いかけるように絡めようとすると、するりと抜けられて、舌の裏を舐められ、体の奥がジンジンしてくる。

やばい。

下半身まで熱がたまりすぎて、俺は腕で康史の胸元を押そうとするが、軽く捕まれ更に舌をとらえられてしゃぶられる。

頭がクラクラしてくる。

鼻から漏れる息も熱くなる。
軽いキスのつもりだったのに、追い詰められて、すでに勃起しはじめたペニスを撫でられて俺は背中に爪をたてる。

ようやく康史は唇を離して、力の入らない俺を眺めて意地悪そうな顔で微笑んで、耳元で囁く。

「もう、トールはビショビショだね。降りたらトイレいこ?」
俺はぼんやりとしながら、康史の提案に頷いた。
頭はボーッとしちまうし、下半身は重いしでふらつきながらも、康史は俺の腕を引いて中央から遠い場所のトイレに向かっているようだ。
「トールは結構キスに弱いよね」
ふふっと笑いながら振り返り、視線を合わせてくる。
いや、ちがう。
俺が弱いんじゃねえよ。
「…………ヤスのキスが…………性的すぎんだよ」
「そうかな。でも、感じやすいのはホントに可愛い」
まだ、ジンジンしてる。
イタズラじゃなくてキスだよとしれっと言われたら、ぐうの音も出ない。
キスをしたいと言ったのは俺の方だし。
まあ、トイレで抜いたら、少しは楽になるかな。

庭園に近い場所で、あまり人の居ない方に歩き、ぽつんとあるトイレへと入る。
ちょうど中には誰もいないのを確認してから、康史は個室へと俺の腕を引いて一緒に入る。2人で入るにはかなり狭い。
普通にデートは、ハードル高かったかな。
コートを脱がされて衣服かけにかけて、すでに臨戦態勢の俺の下半身を眺めて、康史はベルトを外してパンツを下着ごと下に下ろすと、便座に座らされる。
「もう、ギンギンでビショビショじゃない、脚あげて」
耳元で小声で囁かれて、俺は脚を軽くあげると、康史はパンツと下着を脱がせて衣服かけにかける。

「……夜のイルミネーションパレード見るのにお漏らししたらダメだから、蓋しようね。声我慢しといて」
康史は、優しく囁きながら手にしていた俺の濡れた下着を俺の口の中に突っ込む。
「ンーっ、ンッ」
「声、我慢してね。トールのためだからね」
荷物の中から、いつも持っているのかプジーを取り出して、尿道に指をかけるとクプクプと押し込んでいく。
「ンーっ、ンンンッーッ」
「抜けないように、押さえておこうね」
涙目になる俺の頭を撫でながら、亀頭にシリコンのリングを嵌めてしまう。
「トールは、やらしいね。下の口までもうパクパクしてるじゃん。こっちにも何か食べさせてあげないとね」
もう、頭は何も考えられない。
尻を軽くはたかれて、便座から滑るように体を傾けて脚を開くと、康史は口に飴を2、3個含んで吐き出して俺のアナルに含ませ緩く指でゆっくりひとつづつ押し込む。
口に咥えたパンツは涎がしみ出すくらいグチャグチャである。
「アナルプラグは持ってないから、ちゃんとお口を締めておくんだよ。飴を吐き出したら、お仕置きだからね」
囁きながら、俺の口から下着を取り出してビニール袋に入れて荷物にしまう。

「…………ヤス……も、むり…………」
じくじくしてくる全身を震わせて弱音を吐くが、康史は聞かない振りをして、パンツを履かせ、コートまで着替えさせてしまう。

更に辛さが増しただけだ。
「歩け、ねえよ」

「時間はたくさんあるから、ゆっくり歩こうね」

まったく、聞く耳もたずで康史は、個室から出ると俺を振り返り可愛く笑った。







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