オレ達の日常=SIDE Y=
19
傷ついたトールを見るのは好きだった。
本当に趣味が悪いと周りにも言われているが、これだけはどうしようもない。
俺の家まで一緒にトールを運んでくれたヒガシを帰して、俺はぐったりとしているトールを浴室へと運んだ。
メシを食ったら少しは回復したっぽいが、全裸に脱がすと殴打された腹部が紫色に変色している。
体力があまりないのか、ぐったりして俺にすべてを委ねているのもそそる。
「明日から三日間連休だし、とじこめてもいいよね」
先に許可は得ていたが、確認のために再度といかける。
「ああ……イーヨ。ちょっとヤられすぎて体力ねえけど」
綺麗な胸板にも痣があちらこちらにある。
相当やられたのか、今回の相手にてこずったのがわかる。
ひとつひとつのあざに唇をあてるとくすぐったそうな表情で、困ったように笑うトールの姿が目に入る。
「俺も予備校の宿題とか、模試とかあるから、あいたときにしか構えないけど……トールが近くにいるだけで嬉しいかも」
少し汗ばんだ体をなぞり、体をおこすと浴室へと入る。
「やっぱ組の人じゃ、流石にトールでも厳しかったね」
体を下ろして拘束具を手にすると、トールの足首と太腿に革のベルトをまきつけていく。
革のベルト同士を鎖で繋げて仰向けにしてM字開脚にする。
不安そうな表情を浮かべてトールがゆっくりと周りを見回す。
「……って、ここにとじこめるのか?」
「ここなら、トイレとかも安心でしょ」
拘束したまま俺も出かけることもあるだろうし、前に拘束したときはずっと我慢していて死にそうになってたし。
「……えー……まあ…オマエが変態なのは今に始まったことじゃねえけども」
「怖い?」
トールにしては、歯切れが悪い口調にちょっと首をかしげた。
怖がっているようではないが、不安そうである。
「……暖房、止めるなよ?今度は凍死する」
11月なので、暖房なしじゃ風呂場じゃ寒さに凍えるかもしれない。
「ちゃんととまらないようにする。でも、停電とか怖いよね。もしものためにでかけるときは毛布おいておくよ」
前は冷房切れたし、何があっても大丈夫にしないと、不安だろう。
「今日は、トールに犬になってもらおうかなって」
取り出した首輪を見せて、首に巻きつけて鍵をかける。
「首輪か……ふうん、メタルっぽくてかっけえな」
微笑むトールに他意はない。なんだかんだ、やっぱりひるんではくれないようだ。
「怖がってくれないかー」
「だーかーらー、怖くないっての」
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