オレ達の失敗

9

「何度もしつけえな…行くっつってンだろ」
不在着信が山のように入ってた。
多分、ヤスには俺が脅迫されているのが分かっているのだろう。
この病院の前にも何人かやつらの仲間がうろついているのを確認した。
俺が言うことを聞かなければ動画をばらまくだけでなく、怪我人のヤスも襲うというのはガセじゃないらしい。
いつものヤスならなんてことはない雑魚達だが、今は無理だ。
動画なんてどうでもいいし、一度輪姦されたら何度されたって一緒だ。俺はそんなことじゃへし折れない。
俺は折れないけど。
だから、ヤスにはヒミツにする。
でも、ヤスを傷つけることは許さない。
俺は、電話で指示された繁華街の雑居ビルへと向かった。

かび臭い地下に続く階段は薄暗くて、不安が襲う。
いつでも自分は一人じゃなかった、今はヤスがいない。それだけなのに心が少しへこたれているのが分かる。
奴らからの要求は、とりあえず3日間だまってやつらの肉便器になれということだった。
その後のことはわからないが、多分3日間だけじゃすまないだろう。
別に動画がでまわろうと、どうしようと俺は構わない。
それは俺にとって脅迫でもなんでもない。
ネットに出回ろうがどうしようが、たいした問題じゃない。捕まえてどうにかしようって奴等がいれば返り討ちにするだけの話だ。
問題は、ヤスが今動けないってことだ。襲撃されたら守りきれるかどうか分からない。一時的に俺に気をそらせて置くことが必要だ。
その前に、俺が壊れちまったら終わりだが、それなら俺もそこまでの男ってだけの話だ。
ギイッと防音になっている重い鉄の扉をあけると、10人ほどの男たちが一斉に顔を向けた。
「ハセガワ、逃げずに来たんだな。それとも、淫乱だから渡りに船だった?」
「動画、渡してくれンだろ……」
わざと動画を気にしている様子で、俺は近くに寄ってくる男たちを見据えて再確認した。
部屋を何気なく見まわして間取りなどを確認した。元々はスタジオか何かなのだろう。
音楽の機材らしいものが積んである。
「じゃあ、3日間俺らの便器をちゃんとつとめろよ、まず全部脱げ」
リーダーらしき金髪の派手な男が、俺の目の前に立つ。こいつの顔は、前にクスリを嗅がせてきた男なので覚えていた。
名前は何だったか、あまり覚えてない。ここに居るやつらの顔は全部覚えた。
俺は言われたとおり、ばさばさと着ているシャツとぶかぶかのパンツを脱いで、下着をずり下ろした。
這うような視線にたまらず俺はうつむいた。こんな恥辱は初めてだ。
「オマエのためにこれ用意したんだぜ、せいぜい楽しませてくれよな」
腕を引かれ、部屋の奥に二本の鉄の棒に挟まれた便器が設置されていた。
何をしようというのかは、康史のAVのせいで簡単に想像がついた。えげつない遊びだ。
肩を押されて便器に座らされると、両腕をタンクに回して鎖で縛られ両足を掴まれ足首を鉄棒に固定するように拘束された。
「びっくりして声もでねえって顔だな。ハセガワ、肉便器ってのは比喩じゃねえのよ。ここは夜クラブになるんだ。不特定多数の客がオマエのケツを使いに来る。3日もそんな生活送ったらどうなると思う?」
「……要するに、俺をぶっ壊してえってことか」
「流石に話は早いな。3日後まで正気保てたら、その精神力たたえてやってもいいぜ」
俺は無防備にアナルを晒して、身動きもできないことに恐怖を覚えた。
覚悟はしてきたつもりだったが、予想以上に過酷かもしれない。
「それと、俺ら優しいからね顔が分からないようにマスクしてやるよ」
ガスマスクのようなマスクをかぶらされ視界が奪われ、口が閉じないように円系のノズルを噛まされる。
「それと、ウォシュレット機能はいらねえからね。こっちは締めとくぜ」
コックリングをぐっと根元に嵌められて、閉塞感が増して恐怖で体が震える。
「さすがのハセガワでも怯えるのな。大丈夫、ちゃんと準備してやるよ」
やべえな……ただの輪姦だけだったら問題ねえのに……これは、頭おかしくなるかもしれない。
妙に冷静に考えを巡らせていると、アナルの隙間に冷たい管のようなものがずるずると入ってくる。じわじわと注がれる液体から、じんわりと体の奥が火照ってくる。
「ンン――ッン――ッ」
ペニスも膨れあがってきて、コックリングがびきびきと締め付けて痛みを与える。
これを3日間もヤってたら……確実にぶっ壊れる。
暗闇だけで目を凝らしても何も見えない。
視覚が奪われるだけで、感覚も何もかもが脳みそに直結して恐怖でいっぱいになる。
「すげえな、ケツまんこ真っ赤になってパクパク動いてるぜ。鬼のハセガワはこっちも赤鬼みたくまっかっか」
挿し込んできた指がぐぷぐぷと動き、熱で疼くアナルは指を求めて収縮を繰り返している。
「本当に淫乱だな、中ぐねぐね動いてるぜ。準備したら、これから何十本もちんこくわえさせてやるからな。喜べよ」
「すげえ腹筋、綺麗だよなァ。しっかり肉ついてるし、灰皿にしてもイイ?」
次の瞬間、わき腹を焼く痛みが脳天を直撃する。
ジュウッと肉が焼かれる音がする。
「ぐうううう――ッン――ッ――」
「ッ!!!エツシ、急に根性焼きしてやるなって。俺の指が千切れるかと思ったぜ。括約筋強すぎ。ローター入れて3時間ぐらい焦らせば、おねだりできる便器になるでしょ」
指が抜かれてひくつく胎内に小さい玉が何個か押し込まれ、小さい振動が音をたてて内側から刺激していく。

……ゴメンな……ヤス…俺…こわれっ……かも
ヤス……こええよ……あいてえよ…
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