オレ達の失敗

6

イキすぎて脳みそが沸騰したように朦朧として、何を口走っているのかもわからない。
覗き込む康史の表情や見つめてくる目に囚われ、内側に押し込まれるごりごりとした玉の動きに涙が溢れる。
血液が灼熱のように滾って、俺は精液を自分の腹に撒き散らせて醜態を康史に晒していることだけが理解できていた。
「……あ、ふっ、ンン、やす…う、やす…ひっイイ…ううう……や…やす…、ちんこいれて……っうう、イッ…」
胎内を掻き回す動きに焦らされ、たまらず腰を揺らして奥までほしいとばかりに俺は吊られた脚を開いて強請る。
焦らす動きをやめようとしない康史に、俺は泣きじゃくって求めるしかない。
体のどこもかしこも自分の自由にならない。
ずっくずっくと疼きが増して、痛烈な飢えのような脳みそが焼けて爛れてしまうような感覚に俺は声をあげる。
「ひ…っぃうう……くれ…よお……やす……おねがっ…もっつ、やす……ちんこでずぷずぷして……っ」
「可愛いよ、たまんない。トール……」
額に、鼻に首に唇をあてて、康史が俺の中からずるりと異物を引き抜き、ぐぷううっと音をたてて逞しい肉を埋め込んでいく。
「……ひい…っくう…ううううう、くアッア――ッ」
全身が痙攣して、血流が鬩ぎ合い呼吸が困難になりブラックアウトする。
壊れ…ちま……っ。


く、くるし……
目を開くと口の中はペニスと精液らしいどろどろとした液体で溢れ、ドアップで玉袋が揺れている。
ヤス……?
おかしい……。
アナルの奥も激しくつきあげられ全身が痺れるような快感に支配されている。
「ンン…ううう…っつ」
ちらっとベッドの下を見ると、見慣れた康史の頭が見え床に血痕が溢れている。
ヤス……。
不意打ちくらったか……だいじょうぶなの…か。
自分の状況よりそれが気になって仕方がなかった。
「気づいたか?あのハセガワにこんな趣味があるとは、人は見かけによらねえもんだな」
……8人…か。
大体気配で人数はわかる……が、拘束された上にちんこを上と下に突っ込まれていては、思った抵抗もできねえ。
がぶりと口の中のちんこを噛み切るように歯を立てると、思い切り頬を殴られ口から精液交じりの血反吐を吐き出した。
「……ふ…っう、ハァ……っ、ンンッ…人の寝込み襲うンじゃね…ェ」
「やらしい声で喘ぎながら言われても怖くねえな」
「くッぁああ、ハア…やめ…アアッ、てめえ……ぶっころ…すッ…ああっつ…うう」
ぐちゃぐちゃと胎内を掻き回して、面白がるように前立腺を狙って突き上げられ、ほとんど水のような精子を俺は噴出す。
「オマエ結構具合イイからよ、肉便器として使ってやるよ、ハセガワ。ちゃんと動画とってあるし、オマエに拒否権ねえぜ」
足枷ががちゃがちゃいっているが蹴り上げることもできない。
「くッ…アアッあああ、ひッあああっ」
……ふざけろ…よ…っ…
体の奥で熱い体液がどくんと流し込まれるのを感じる。
嫌…だ、嫌だ、嫌だ……
ひっきりなしに奥を衝かれ、携帯のカメラを向けられる。
「ひッ…アアッ、ッあああ、やあああああッ…くうう」
心が抵抗しても、次々に入れ替わる男のペニスを俺の体は受け入れ腰を振ってよがり狂った。
「見てみろよ、穴が開ききってザーメン垂れ流しだぜ、折角種付けしてやったのによ」
「完全に目ェイっちまって、あへ顔っての?ハセガワ、やばいね」
「さて、帰るか。ヒダカが起きたら面倒だしな、ハセガワの拘束解いてく?」
男たちはさっさと身づくろいをし、俺がほとんど意識が朦朧としていて安全だと判断したのか、足枷と手錠をはずして出て行った。
やす……っ…
床で倒れたままの康史はピクリとも動かない。
まさか、死んでなんかねえよな。
必死で泥のような上体を漸く起こして、意識が崩れそうな痛みに震えちまう体に渇を入れて、ベッドから降りると康史の体を抱き起こす。
意識はないが、呼吸はしているのにほっとして息をつき、揺らさないように全身に触れてくまなく確認する。
頭を軽く切っているのと、脳震盪で意識がないって感じだ。
丁寧に、動けないようにと右足を折られている。
生死の境目のような切羽詰った状況ではなさそうだ。
きったねえからだ…さっさと洗って、ヤスを病院にはこばねえと…。
奴等のザーメンまみれの体でヤスにそれ以上触れたくなくて、俺は痛む体をひきずって浴室へと向かった。

それと完治するまでは、こいつを巻き込まないように、しねえと…な。
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