オレ達の失敗 *SIDE Y
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拉致されて以降、東流の体は非常に敏感になったと思う。
痛みにも感じるようになっているし、我慢が効かなくなっているようで切ない表情を浮かべるようになってきている。
それが全部自分の手でおこなった結果でないのが悔しいが、それは仕方がないことだ。
それを嫌だと思ったら、きっと彼は俺の手を離してしまう。
ぐっすりと眠っている全裸の東流の体を撫でて、黒い布を東流の目許にまきつけていく。
涙目になる顔も、ゆがんだ表情も見えなくなるのは惜しいけど。
萎えて力を失っているペニスへ、コックリングを嵌めて脚を横に拡げる。
まったく起きる気配もないが、気を失うまで抱いていたのだから仕方がないだろう。
アナルからは、先ほどまで注ぎ込んでいた精子がとろとろと溢れてたまらなくいやらしい構図になっている。
毎日おねだりしてくるくらい淫乱になればいいのになと思う。
性格上できないだろうけど、そこを崩してねだられたらたまらない。
よくほぐれているアナルへ、クスコを差込んで中を拡げると精液がとろっと内部からあふれ出す。
両腕を掴んで、ベッドヘッドに括りつけて拘束する。
長く綺麗な脚を掴んで、腕と一緒にくくるといやらしいオブジェのできあがり。
こんなことされても、まったく起きる気配がない。
本当に鈍感。
愛しくて仕方が無い。
孤高といえるくらいの真っ直ぐな強さをもっている相手を、欲しくてたまらないと思わせて虐めたおしてすがりつかせたい。
「……ン…うう…ヤス…?」
漸く目を覚ましたのか、東流は少し鼻にかかった声で呼ぶ。
真っ暗で拘束されているのが、少し心もとない様子である。
「トール、起きたの」
先端をわざといじりながら問いかけると、ひくひくと全身をわななかせて首を左右に振る。
「……目ェみえねーんだけど」
ちょっと不機嫌そうな声が返ってくる。膨らみ始めたペニスがきつきつになってきて、苦しさもあるのだろう。
「そう。開発、開発。夏休み終わるまでに、トールをすっごい淫乱にしてあげる」
「え……遠慮しちゃ駄目か?」
「俺なしじゃいらんない体にしていいんでしょ。約束したもん」
クスコの隙間にゆっくりと細身のディルドを挿し込んで、ゆっくりと内部を捏ね回す。
くぷくぷっと音をたてて、刺激にたまらず腰をひねる様がかわいらしい。
「あとちょっとだけど、夏休み満喫しような。トール」
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