オレ達の失敗

27

近くの公園のトイレまで腕を引っ張ってきてしまったが、花火はまだ打ち上がり続けている。
「いいのかよ。合コン」
「ふうん、トール乗る気だったんか?」
不思議そうな表情をされるが、俺が元々乗る気ではないのはヤスは知っている筈だ。
「ま、誠士に女を紹介しただけだからな。それよりちょっといじっただけで、でっかくなったぞ、トール」
俺の前をしつこくまさぐってくるヤスに俺はイラついて、個室へと引っ張り込んだ。
「あんなとこで触るな。マジ、我慢つれェ」
「トールが困る顔見るの好き」
唇が柔らかくあたり、舌先で隙間をなぶるようになめられる。それだけで、体がいうことを利かなくなり、熱く火照ってくる。
しゅるっと浴衣に撒いていた帯を外され、両腕をつかまれてぐるぐると巻きつけられる。
「浴衣姿、ホントにセクシーで我慢してたのはコッチだっての。ほら、もうエロイ顔してる」
耳元でささやかれ、さわさわと綺麗な茶色い髪が俺の肩の上で揺れる。
シュッとヤスは自分の髪につけていたヘアピンを外すと、既にいきりたった俺のペニスの割れ目にググッと挿し込んでくる。
「ヒァッイ……イイイイイ―――ンンンン」
大声をあげそうになった俺の唇を手のひらで覆って、ヘアピンをぐぷぐぷと先端に出し入れする。
思わず体が震えて体がびくつく。
だけど、抵抗しようとは思わない。ヤスだからいいんだ。なんでもさせてやる。
「痛い?でも、痛くても気持ちよさそう。脚開いて便器に座って、下駄脱いで」
言われたとおりに、浴衣を少しまくって便器にすわり脚を横に開いて下駄を脱ぐ。
「もう少し腰あげて、俺に見せて」
浴衣がはだけて、隙間から勃起したペニスと少し開きかけたアナルがさらされる。
「エッチだね。全裸よりもこういうほうがセクシーだよ。もう、トールの穴ひくひくしてるね」
焦らすように指先でなぞられて、たまらず内股に力が入る。
絡みつくような支配しようとするようなヤスの視線にぞくぞく背筋があわ立つ。
つぷっと指の先端が入り込むと、たまらず喉を鳴らしてもっとと口走りそうになるのを堪える。
「さっき、玲奈ちゃんに本気で嫉妬しちゃった」
指でくちくちとかき回しながら、ヤスは柄にもないことを口にする。
ヤスが嫉妬なんかするだなとか、酸素が薄くなった頭の中でぐるぐると考える。
「ンンッふ……バカ…だな。この俺が……オマエのためにケツまで開いてンだぞ……」
中を押し広げるように指を動かすヤスの額に唇を押し当てる。
ふっと肩を揺らしてヤスは笑う。
「全部を手に入れても、トールに関しちゃ安心してねえの。片思い暦10年なめるなよ」
くちっと唇をひらいて横からオスをくわえられて、眉をぐっと寄せる。
全部やっても足りないとか……ほんとに欲張りだな。
俺は、背筋にかけあがるような快感を覚え、指だけで全身を震わせ達してしまった。
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